税務最新情報

2014年03月10日号 (第217)

消費税率引上げに関する間違いやすい取扱い

 所得税の確定申告の期限が迫っていますが、申告はお済みですか。今年は、復興所得税の計算について、間違いが多いとのことですので、お気をつけください。また、今年は3月15日が土曜日なので、確定申告の期限は3月17日となります。
 今回は、消費税率引上げ間近と言うことで、消費税に関する間違いやすい項目の最終確認をしていきます。特に平成26年1月になってから、国税庁より「消費税率引上げに伴う資産の譲渡等の適用税率に関するQ&A」が公表されました。平成25年4月に国税庁より公表された「平成 26 年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用 される消費税率等に関する経過措置の取扱い Q&A」と合わせて、一通り目を通しておく必要があります。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/kaisei/pdf/2191.pdf
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/kaisei/pdf/201401qa.pdf

3月に出荷された商品が4月に入荷された場合の取扱い(26年1月Q&A問1)

 4月以降の消費税率は8%になります。しかし、実務上は微妙な問題点があります。例えば、販売する側が3月31日に出荷した場合で、購入する側には4月1日到着するというケースです。
 実務的には、売上を計上する側は、出荷した日付で売上を計上する場合か、購入側の検収を待って売上に計上する場合の2パターンの処理方法が考えられます。一方で、仕入を行う側では、入荷をした日付で仕入を計上するか、検収が完了した日付で仕入を計上する方法が考えられます。会計処理としては、いずれの方法をとることも、継続適用を前提として、会社が任意に決めてよい取扱いとなっています。
 この場合に、売り主が出荷基準を採用していた場合、3月に出荷すれば3月の売上として、消費税率は5%となります。一方で、買い主が入荷基準を採用していれば、商品の到着が4月1日であれば、4月1日の仕入として、消費税率は8%になるのではないかという疑問が生じます。日本の消費税法はインボイス方式を採用していないので、このような売り主と買い主で泣き別れの処理になることも認められるのでないかとの考え方もあり、専門書などでも、異なる結論が紹介されるなど混乱が起きている状態でした。
 平成26年1月公表のQ&Aの問1で、このような場合は、売り主が5%の消費税率で販売したのだから、買い主も5%の消費税の処理をするという、極めてシンプルで理解しやすい回答を公表しました。実務的には、相手の請求書に合わせて処理をすれば、基本的には正しい処理が行えるようになりました。

契約上3月に支払われる4月分の家賃の消費税率(平成26年1月Q&A問6)

 資産の貸付けについては、その収益の計上の時期について、所得税の基本通達で下記のような取扱いがあります。

所得税基本通達36-5(不動産所得の総収入金額の収入すべき時期)
 不動産所得の総収入金額の収入すべき時期は、別段の定めのある場合を除き、それぞれ次に、掲げる日によるものとする。
 (1)契約又は習慣により支払日が定められているものについてはその支払日、支払日が定められていないものについてはその支払いを受けた日(請求があったときに支払うべきものとされているものについては、その請求の日)

 

 上記アンダーライン部分のように、契約で支払日が定められているものについては、支払日に収入を計上するという取扱いとされています。この取扱いにしたがって、4月分の家賃は3月の収入金額に計上すべき家賃なので、旧税率の5%になるのではないかとの疑問が生じていました。
 しかし、この点についても平成26年1月公表のQ&A問6で、4月分なら新税率の8%を適用し、逆に支払うべき日が後払いの契約で3月分の家賃を4月に支払うという場合は、4月に支払われたとしても3月分の家賃なので旧税率の5%とするとの結論となりました。

 上記の問題は、いずれも条文や通達を丁寧に読むと疑問が生ずる箇所であり、専門家の間でも疑問が呈されていました。しかし、消費税の税率については、お客さんとの金額の話しですから、経営者が現場でリアルタイムに解決する必要がある問題でした。その意味では、平成26年1月公表のQ&Aは、一般の方に理解しやすい内容となっており、多くの方が読んでおくべき内容です。

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