税務最新情報

2013年09月02日号 (第199)

施行日(平成26年4月1日)の前後で影響する経過措置

 みなさん、こんにちは、税理士の飯田聡一郎です。8月は、東京、名古屋、大阪と、消費税の研修会を行ってきました。前回ご紹介したように9月末までに契約をすることで、平成26年4月以降も旧税率となる取扱いがあり、9月にはその内容に絞った研修会の依頼もきています。現在は、そのくらい消費税増税の注目度が高くなっています。
 今回は、平成26年4月以降の販売やサービスであれば、本来は8%の消費税率となるところが、一定の場合には5%の消費税で済んでしまうという内容についてご紹介していきます。なお、いったん消費税の増税に関する解説は今回で、一区切りになります。

(1)旅客運賃、映画又は演劇等の入場料金等

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…… 前売券や新幹線の回数券で消費税分の精算を要求することは非現実的です。
…… これらのチケットについては、駆け込み需要が期待できます。
…… より具体的な内容は、下記の通りです。

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(2)電気・ガス・水道・電話代等

 電気、ガス、水道水及び電気通信料金で平成26年4月1日より前から継続して供給し、又は提供しているものの供給又は提供で、平成26年4月1日から4月30日までの間に料金の支払を受ける権利が確定するものは、確定した料金の消費税については5%の税率となります。
 これらについては、全契約者について、3月31日までにいくら使ったかを正確に把握することは不可能です。そこで、検針日までの使用料については、5%で割り切った処理を認めるという内容です。

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…… 具体的には下記の内容のものについて、適用になります。
…… なお、実際の支払は5月あるいは6月になる場合もあるので注意が必要です。

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…… 検針(数字の確定)必要な物に対する経過措置です。
…… よって、月額利用料が定額のものは、経過措置の対象になりません。
…… 例えばインターネットや電話で定額料金の場合は適用になりません。
…… 一方で、段階的な定額制の場合は、適用対象となります。
…… 水道料金のように毎月ではなく2ヶ月ごとに支払う場合も、結論としては同じ結果に
なります。以下は、国税庁のQ&Aです。

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(3)特定新聞等

 事業者が、特定新聞等(不特定かつ多数の者に週、月その他の一定の期間を周期として定期的に発行される新聞又は雑誌で、その発行する者が発売する日を指定するもののうちその指定する日が施行日前であるものをいう。)を施行日以後に譲渡する場合の消費税については、旧税率となります。

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 簡単にイメージしていただけるのが、3月発売の週刊誌や月刊誌などです。発売の時期が3月なら、4月に販売しても5%の消費税率となります。一方で、同じ書店で取り扱う書籍は、4月になると8%の消費税となりますので、異なる取扱いとなります。

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