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2017年07月20日号 (第330)
相続財産の評価方法 土地の評価の総論
みなさん、こんにちは、暑い日が続いています。水分補給をこころがけましょう。
例年7月1日に、国税庁より路線価が公表されますが、今年は土日を挟んだ関係で7月3日に平成29年分の路線価が公表されました。新聞でも話題になりましたが、銀座5丁目の日本一高い路線価と呼ばれる「鳩居堂」前が、1992年のバブル期の最高記録を上回ったそうです。バブル崩壊やリーマンショックを経験しているので、東京オリンピック後にどうなるのかという多少の不安がありますが、不動産業界を見ている限り、今は活気があるようです。今回は、路線価の公表のタイミングもあるので、相続の際に土地の評価をどのように行うのかについてご紹介していきます。
◆基本的な土地の評価方法
相続税・贈与税の計算、あるいは取引所の相場のない株式の評価をするにあたって、税法上の土地の評価額が必要になります。土地の時価と言った場合には、公示されている価額があり、固定資産税の評価額がありと、一つの土地について、複数の価額が付いている現状があります。相続税・贈与税の評価では、公示された価額でもなく、固定資産税評価でもなく、財産評価基本通達に基づく評価を行う必要があります。
なぜ、財産評価基本通達で評価を行うのかと言うと、相続税や贈与税は、売却した場合と異なり、不動産の所有者が移動したとしても、それに見合う現金が入ってくるわけでは、ありません。また、長期間の保有を前提としている場合に、たまたま高値のタイミングで相続があったから高値で評価されるというのでは、弊害があります。そこで、公示価額の80%となるような形で、路線価を設定しています。
財産評価基本通達では、土地について、路線価に基づく評価か、固定資産税評価額に一定率を乗じる倍率方式による評価を一般的な評価方法として定めています。
◆路線価方式
路線価という言葉自体は、一般の方には馴染みが薄いかもしれませんが、相続税の計算などで利用する土地の評価方法として一般的な評価方法です。
路線価というのは、名前のとおり路線、つまり道路ごとに価額を設定しておいて、その道路に面していれば、面積に路線価を乗じて土地の評価額を計算する方法です。
これが、日本で最も高い路線価である銀座四丁目の交差点付近の路線図を切り取ったものです。40,320Aと記載されている道路に面している土地が、1平方メートル当たり4,032万円であることを表しています。Aは、今回は説明を省略しますが借地権割合を表しています。
仮に50坪の土地だったとしたら、1坪=3.31平方メートルですから、50坪で165.28平方メートルなので、以下のような計算になります。
実際には、道路二面に面している場合、角地の場合、奥行きが長い場合、間口が小さい場合など、調整計算が行われます。ただ、ざっくりと、平米いくらかを確認するだけなら、路線価を見るだけでも概ねの雰囲気はつかめます。
◆倍率方式
路線価は、道路に金額が付されているわけですが、日本中の道路に路線価を付しているかというと、そうではありません。路線価が付されていない場所も存在します。路線価が付されていない土地については、倍率方式と言って、固定資産税の評価額に、国税庁が公表した倍率を乗じて、評価額を計算します。八王子市の倍率を見てみると下記のようなイメージです。
上記の旭町、東町などは、路線価が付されていて、暁町3丁目の国道16号線沿いは、固定資産税評価額の1.2倍、暁町3丁目の国道16号沿い以外は1.1倍で評価するという内容です。
固定資産税の評価額については、土地の所有者に、毎年、固定資産税の通知書が送付されてきて、その中に金額の記載があります。固定資産税の評価額は、持ち主の所有している面積の評価額が記載してあるので、単純に倍率を乗ずればその土地の相続税における評価額となります。
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