税務最新情報
2025年06月02日号 (第541)
令和7年4月インボイスQ&Aの改訂 その3
みなさん、こんにちは。最高気温が30度を超える日がでてきました。体調管理に気を付けましょう。
さて、今回も4月に改訂されたインボイスQ&Aの情報の続きです。
適格請求書の記載事項のインターネットでの公表(問72-2)
新たに追加されたQ&Aは、下記のような取扱いを可能とする内容です。
交付する領収書において、当社のホームページのURLを案内しておき、当該URLに適格請求書の記載事項の一部である適格請求書発行事業者の名称及び登録番号、適用税率を表示した上で、当該領収書を受領した事業者においていつでも確認可能な状態にしてあります。このような方法により、適格請求書の記載事項を満たすことは可能ですか。 |
ただし、「取引に応じて交付した領収書等とは関係なく、適格請求書の記載事項の一部を自社のホームページに掲載しておくだけでは、当該領収書等と電磁的記録の相互の関連が明確とはいえません。」としています。領収書にURLを記載することで、書類相互の関連が明確となり、領収書とURLの記載内容を合わせて適格請求書とするというものです。
ネットでのアプリの利用など、領収書が発行されない取引が多く、URLに適格請求書の記載事項が記載してあればよいのではないかとの実務会からの要望もあり、一部応えてくれたような形になっています。
DX化推進の観点からは、単一税率のサービスなどについてはURLで必要事項の補完、通帳の引落あるいはカード明細との組み合わせでインボイスと認めるなど、もう一歩踏み込んでほしいところです。
複数年をまたぐ取引に係る適格請求書の交付(問77-3)
こちらも、この4月に追加されたQ&Aです。
1年を超えるような契約の場合、課税期間をまたぐ長期間にわたる課税資産の譲渡等について、まとめて適格請求書を交付してもよいとのことです。
従来は売り手側の課税期間の範囲内で、まとめて記載することを認めるとする取扱いでしたが、実務上の要請を受けて緩和したものと思われます。
現金主義を適用する事業者における仕入税額控除のタイミング(問98-2)
「ある取引につき、費用の支出を行ったものの適格請求書の受領が翌年になってしまいましたが、現金主義により、費用の支出を行った課税期間において仕入税額控除の適用を受けることはできますか。」という質問に対して、その回答は、「当該課税仕入れが適格請求書発行事業者から行われるものである場合には、当該支出した日の属する課税期間において適格請求書の交付を受けられなかったとしても、事後に交付される適格請求書を保存することを条件として、当該支出した日の属する課税期間において仕入税額控除の適用を受けることとして差し支えありません。」とするものです。
このQ&Aは現金主義を採用している事例ですが、事後に適格請求書を入手保存すれば実務上問題としないとする趣旨です。決算作業中に適格請求書が見あたらないというケースは散見されます。このような場合、取引終了後であっても適格請求書を発行してもらうことでリカバリーが可能となるので、気にしておきましょう。
上記以外にも追加された内容がありますが、昨年の6月から7月の税務情報で紹介した部分と重複するので、ここまでの内容とします。
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