税務最新情報
2025年05月12日号 (第539)
令和7年4月にインボイスQ&Aが改訂 その1
みなさん、こんにちは。ゴールデンウイークも終わってしまいました。3月決算の法人は慌ただしい時期になってきました。気持ちを切り替えていきましょう。
さて今回は、令和7年4月にインボイスQ&Aが改訂されたので、ご紹介していきます。
約1年ぶりのインボイスQ&Aの改訂
国税庁のサイトに「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(=インボイスQ&A)」が公表されていますが、令和7年4月に約1年ぶりの改訂が行われました。総ページ数は236ページあるので、書籍一冊分程度のボリュームになります。国税庁が公表しているものなので、もっとも信頼度が高い資料と考えることができ、税務雑誌や消費税関係の単行本なども、このQ&Aを基にして書かれたものが多くあります。
過去のQ&Aを変更したものと、新たに追加したQ&Aを合わせると10個以上になります。非常に個別的なものもあると同時に、実務に関係深いものもありますので、今回変更があったものや、追加されたものの中から興味深いものをご紹介していきます。なお、Q&Aは下記で確認できます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/qa_01.htm
新たに設立された法人等の登録時の特例(問11)
新たに設立した法人の場合、事業を開始した日の属する課税期間の初日から登録を受けようとする旨を記載した登録申請書を、事業を開始した日の属する課税期間の末日までに提出した場合において、税務署長により適格請求書発行事業者登録簿への登載が行われたときは、その課税期間の初日に登録を受けたものとみなされるという特例があります。
この提出日「課税期間の末日まで」の部分への下記の注意書きが追加されました。
事業を開始した日の属する課税期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和23 年法律第178号)に規定する休日その他一般の休日、土曜日又は12月29日、同月30日若しくは同月31日に当たる場合であっても、その日(事業を開始した日の属する課税期間の末日)までに課税選択届出書や登録申請書の提出がなければ新たに設立された法人等の登録時期の特例の適用を受けることはできませんのでご注意ください。 |
簡単に言えば申告期限が土曜、日曜、祝日に該当する場合はその翌日が申告期限となりますが、インボイスの登録については「課税期間の末日」が年末の休日や土日に該当する場合でも、あくまでも「課税期間の末日」が提出期限となるという趣旨の内容です。取扱いが変更になったわけではなく、注意喚起を改めて行ったということです。実務上のミスが多かったことが想像できます。
具体的には、年末年始期間の12月29日から1月3日の間は、e-Taxが利用できません。12月決算の法人が12月29日に申請書を提出しなければいけないことに気づいた場合、e-Taxの稼働を待っていては、事業年度開始の日からのインボイス登録は間に合わなくなります。郵便で12月中に送付するか、12月中に税務署の閉庁時間用の収受箱に投函するなどの選択肢が必要になります。
いずれにしても、期限に余裕をもって書類の提出を行えばよいのですが、e-Taxが利用できない場合の対応なども検討しておきましょう。
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