税務最新情報
2024年07月01日号 (第509)
クレジットカードで決済されるタクシーチケットとインボイス
みなさん、こんにちは。一年の半分が過ぎました。源泉税について納期の特例を利用している場合、7月10日が納期限になります。納付が遅れると不納付加算税がかかってしまうので気を付けましょう。
さて今回は、インボイスQ&Aで新しく追加された部分の続報です。
クレジットカードで購入したタクシーチケットの問題点
会社の接待後に、取引先の方にタクシーチケットを渡す場合があります。クレジットカードで購入したタクシーチケットは、まず接待した取引先の方に渡り、その方がタクシーを利用することで、精算時にそのチケットがタクシーのドライバーに渡ります。その場合、タクシーチケットを購入した接待側にはカード会社からの明細書のみで、領収書が発行されないことが問題となっていました。個人タクシーの組合などでは、下記のようなサイトを作成し、領収書の再発行を行なうように周知していました。
しかし、タクシーに乗車した側が領収書を受け取ったとしても、タクシー代を負担するタクシーチケットを購入した接待側にはインボイスが交付されないという問題が残ったままでした。
国税庁の新しいQ&A
タクシー事業者から、財務省などへの対策要望を受けて新たなQ&Aが公表されました。
Q&A108-2です。より詳しい情報が必要な場合は、下記をご覧ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/108-2.pdf
原則は適格簡易請求の保存が必要としつつも、一定の条件の下で帳簿のみの保存により仕入税額控除の適用を認めるものとしました。
上記の書きぶりからすると、インボイスの保存がない場合でも仕入税額控除が可能とされる「入場券等が回収された課税仕入れ」という規定(施行令49条1項1号ロ)を拡大解釈しての適用と読み取れます。
現実的に起きた問題を踏まえ、国税庁側が新しい情報を公表しています。継続して問題が起こりそうな事例の場合は、国税庁などに問合せをすることで、取扱いが緩和されるケースもあります。解決できない問題は、国税庁などに問い合わせを行うことも有効です。
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