東法連ニュース
第2023年 (令和5年) 1月号 第431号
年頭のごあいさつ
新年あけましておめでとうございます。
本年が皆様にとりまして輝かしき一年となりますよう祈念申し上げます。
本年も、法人会活動に対して一層のご協力をお願い申しあげますとともに、会員企業の皆様のご隆盛を心から祈念申しあげまして、年頭のごあいさつとさせていただきます。
◆年 頭 寸 言◆ 一般社団法人 東京法人会連合会 |
昨年は多くの国で新型コロナウイルスとの共存が進み経済活動への悪影響が薄れた一方、ロシアのウクライナ侵攻に伴う混乱や世界的な物価上昇など、さまざまな出来事があった。なかでも、英国で昨年9月に発足した新政権が史上最短の2か月弱で退陣に追い込まれたことには、財政規律の重要性を痛感させられた。トラス前首相は就任直後から巨額の財政支出を伴うエネルギー価格抑制策や富裕層向けを含む大型減税を矢継ぎ早に打ち出し、それらの全てを国債発行で賄うとした。しかし、非現実的と受け止めた金融市場で英国の債券・通貨・株式を売る動きが一挙に広がり、与党内や国民からの批判も加わって減税撤回と首相辞任に至った。
昨年早々に政府の長期債務残高が一千兆円を突破した日本は、このような英国の混乱を対岸の火事と片付けるべきではない。エネルギー高などにより苦境に陥っている人々への支援は必要だとしても、歳出全体で無駄を排除し、財政の持続可能性を高める努力を怠れば、いずれ金融市場での「日本離れ」を引き起こしかねない。法人会は引き続き、将来世代に禍根を残さない財政となるための歳出効率化を求めていくとともに、企業にとって現実的で受け入れ可能な税制のあり方について議論を深め、積極的に提言してまいりたい。
一方、日本経済の活性化は財政健全化の観点からも重要な課題であるが、昨年後半になって人々の往来が本格回復に向かい、インバウンド需要も持ち直し始めたことは明るい材料である。法人会としては、会員企業どうしの交流がさらに活発化・多様化することを支援し、ウィズコロナ時代のビジネス開拓のための有益な情報が得られる場として持続的な経済成長に貢献していきたい。