東法連ニュース
第2018年(平成30年)10月号 第392号
平成31年度税制改正に関する提言を報告
【税制税務委員会連絡協議会】
東法連は9月21日、全法連会館で第2回税制税務委員会(青栁晴久委員長・四谷法人会会長)を開催した。委員会では、平成32年度税制改正に関する提言の策定スケジュールが提示された。また、続いて開催された同委員会連絡協議会では、このほどまとまった平成31年度の提言が報告された。
同提言については、9月20日に開催された全法連理事会で承認され、東法連では、9月26日開催の理事会で報告するとともに、実現を目指して東法連、単位会とも積極的な要望活動を展開していくことが承認された。
提言では、「基本的な課題」として「Ⅰ税・財政改革のあり方」で、1.財政健全化に向けてと題し、「財政健全化は国家的課題であり、歳出、歳入の一体的改革によって進めることが重要である。歳入では安易に税の自然増収を前提とすることなく、また歳出については、聖域を設けずに分野別の具体的な削減の方策と工程表を明示し、着実に改革を実行するよう求める。」としている。
◆消費税の軽減税率は問題多く10%までは単一税率で
消費税引き上げに伴う対応措置では、「引き上げと同時に導入される軽減税率は事業者の事務負担が大きいうえ、税制の簡素化、税務執行コストおよび税収確保などの観点から問題が多く、税率10%程度までは単一税率が望ましいことを改めて表明したい。」としている。
また、税率引き上げに向けては、「現在施行されている『消費税転嫁対策特別措置法』の効果等を検証し、中小企業が適正に価格転嫁できるよう、さらに実効性の高い対策をとるべきである。」などとしている。
◆法人実効税率のさらなる引き下げも視野に
法人実効税率については、「OECD加盟国やアジア主要国と比較すると我が国の水準は依然として高い。今般の税率引き下げの効果等を見極めつつ、さらなる引き下げも視野に入れる必要がある。」としている。
また、「中小企業の活性化に資する税制措置」では、「中小法人に適用される軽減税率の特例15%を時限措置ではなく、本則化する。また、800万円以下に据え置かれている軽減税率の適用所得金額を、少なくとも1,600万円程度に引き上げる。」ことを求めている。
事業承継税制の拡充では、「中小企業が相続税の負担等によって事業が継続できなければ、経済社会の根幹が揺らぐことになる。今年度の税制改革で比較的大きな見直しが行われたが、さらなる抜本的な対応が必要と考える。」としている。
なお、提言全文は、全法連ホームページに掲載されている。