東法連ニュース
第2017年(平成29年)8月号 第378号
小林栄三新会長に聞く
~日本の未来のためにも80万社の会員企業を元気にしたい~
これまで5年間にわたり全法連・東法連の会長を務めた池田弘一氏に代わり、副会長を務めていた小林栄三氏が新会長に就任した。小林氏は現在、伊藤忠商事株式会社の会長を務めている。小林新会長が思い描く、法人会のあるべき姿や抱負を伺った。
(全法連の季刊誌「ほうじん」のインタビュー記事を抜粋)
――会長就任に際して、経緯や今のご心境をお聞かせいただけますか?
池田会長から、法人会という全国で80万社の企業が入っているすごい組織があること、そして法人会は国の財源の根幹をなす税収をどう改善したらいいのか、そうした提言にも関わっていく組織だと伺いました。一企業で頑張ってきた者としてこうした組織に貢献してみては、と薦められ、できることであればお受けしましょう、と2年前に副会長をお引き受けしました。
――法人会の活動について、どのように評価されていらっしゃいますか?
活動については、目下勉強中です。関西地区を除き全国に県連があり、歴史もある、租税教育活動や社会貢献活動を熱心にされており、皆さん非常に強い心意気をお持ちだと感じています。
――企業で、そして数々の経済団体でリーダーをされてきたご経験を、どう法人会に活かしていきたいと思っていらっしゃいますか?
今、日本貿易会会長と日本商工会議所の総合政策委員会委員長のほか、経団連や経済同友会なども長年やっていますが、どの会もそれぞれ特徴があります。商工会議所では地方の生の声が聞こえてきてリアルでしたし、経済同友会では若くて白熱した面白い議論が交わされていました。それぞれ全く毛色が違うんですが、いずれにしてもよく感じたことは、『知恵を使ったら何でもできる』ということ。そして、もう一つ、一番大切なことは、『異業種でお互いに助け合う』ということです。
法人会にはこんなにも沢山の企業の方がおられるわけですから、自分が欠けているところを他の方に助けてもらう、そして全体として大きな流れを作る、そんなことができれば全く違った景色が見えてくるはずです。お互い、別の企業と戦略的な提携をするなどWIN─WINの関係を築いていく、そうした場として法人会を捉えたらいいのでは、と思います。
80万社には80万の成功がありご苦労がありますね。それを組み合わせることによって新しい価値を生み出すことができるはずです。でも、多くの企業はきっと、『部分最適』だと思います。『全体最適』にするために、川上の方は川下まで、川下の方は川上まで見に行っていただきたい。そうすることで絶対新しい知恵が生まれます。基本的に私の会社は全業種・全世界を相手にしている会社ですから、そのようなお手伝いならできると思います。そういうことで会員企業を元気にしていきたいですね。