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2026年10月20日号 (第591)

非上場株式の相続税評価の見直しのその後

 みなさん、こんにちは。非上場株式の相続税評価について、いろいろ動きがありました。いったんリセットする方向との話が流れてきました。

非上場株式の評価見直しは白紙に戻るのか?

 取引相場のない株式、つまり非上場株式の評価に関する有識者会議が開催され、来年度の税制改正に織り込まれるのでは、という流れになっていました。今年4月に1回目の有識者会議が行われ、9月16日には6回目の有識者会議が行われていました。9月の有識者会議では、「残余利益方式」による株価算定の具体的な手法まで議論され、具体的な計算ができる段階になっていました。

https://www.nta.go.jp/about/council/kenkyu.htm

 9月18日に日本商工会議所が「令和9年度税制改正に関する意見書」を公表し、その中で、下記のとおり新しい評価方法について強い反発を示しています。

⇒国税庁が示す残余利益方式は、多くの中小企業の事業承継が崩壊するのではないかと強く懸念。政府の成長戦略である「強い経済の実現」「成長投資の拡大」に逆行。悪質な租税回避行為に限定した見直しを優先すべきであり、中小企業の実態に見合った評価や税負担に関する議論がないまま、評価体系全体の見直しには強く反対。

https://www.jcci.or.jp/news/recommendations/2026/0918103000.html

 10月6日の閣議後記者会見で、片山財務相は、報道には大変な誤解があると述べました。いろいろな案が試算の時点で有識者会議に出ており、その中で一番厳しいものだけが取り上げられて報道されている、全く結論は出ていないし、見直しの方向性すら全く決まっていない、という趣旨の発言でした。

https://www.kensetsunews.com/sokuho/1293549

 さらに10月7日には、高市首相もこの点について衆議院本会議で「現時点で何らかの結論や見直しの方向性が決まっているということは全くない」、「ゼロベースで検討を進めてまいります」と発言しています。

https://www.jkeiei.co.jp/m/tax-government-moves/

 財務相の記者会見、首相の国会答弁を考慮すると、第6回の有識者会議で公表された「残余利益方式」がそのまま採用されることはなさそうです。

非上場株式の評価見直しの行方

 非上場株式の評価の問題は、事業を継続する場合は、換金できないのに多額の評価額になってしまうことです。現在の事業承継税制の特例措置は、一定の要件を満たせば、非上場株式の贈与税・相続税の負担が実質的になくなる制度です。事業継続には非常に有効な制度です。

 また、第1回の有識者会議で公表されている通り、現行の非上場株式の評価方法については、評価額を下げるスキームが存在しており、問題があるのも事実です。

 事業承継税制について、特例措置が2027年末で終了を迎えます。そして、同じ10月6日の記者会見で片山財務相は、株価評価の見直しと事業承継税制を両方一緒に検討するとしています。来年度税制改正までに、非上場株式の評価の問題と事業承継税制の次の形について、結論がでるのか非常に気になるところです。

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