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2026年07月21日号 (第582)

少額減価償却資産の特例、40万円に拡大!

 みなさん、こんにちは。令和8年度税制改正において、中小企業者等の少額減価償却資産の特例の対象範囲が拡大されました。

 今回は、この改正にちなんだ話しです。

何がどう変わったのか

 中小企業者等が取得した減価償却資産のうち、一定の要件を満たすものについては、取得価額の全額をその事業年度の損金に算入できる特例があります。今回の改正により、この対象となる取得価額の上限が引き上げられました。

項目改正前改正後
対象となる取得価額30万円未満40万円未満
年間の損金算入限度額300万円300万円(変更なし)
対象法人の従業員数要件500人以下400人以下

 なお従業員数については、令和8年度税制改正で中小企業者等の要件が変更になったことによるものであり、注意が必要です。

 40万円未満へと切り替わるタイミングは、令和8年4月1日以後に取得する資産からとなりますので、決算期をまたぐ設備投資を検討している場合は、取得の時期によって適用の可否が変わるので注意が必要です。

「一括で経費にできる」の中身を整理

 似たような制度が並んでいるため、改めて整理しておきます。

少額減価償却資産の特例40万円未満、中小企業者等限定、年間300万円まで
一括償却資産20万円未満、3年間で均等償却、償却資産税の対象外
通常の減価償却10万円以上、法定耐用年数により償却

 上限額が引き上がったことで、これまで数年に分けて償却していた高性能なノートパソコンや業務用ソフトウェア、サーバー機器なども取得年度に一括で経費化できる範囲が広がりました。DX投資や生成AIの導入で高スペックな機器を揃える場合、設備投資の計画を立てる際に、このタイミングを意識しておくと有利に働くケースがあります。

「40万円未満だから全部経費」とは限らない

 ここで注意したいのが、この特例はあくまで新たに取得する資産についての取得価額基準だという点です。既存の設備の一部を修理した場合の費用は、話が別になります。修繕費の場合、「通常の維持管理や原状回復のための支出」なのか「資産の価値を高めたり、耐久性を増したりする支出」なのか、実質判断が必要です。また、金額基準としては単純に20万円未満なら修繕費にすることが可能です。なお、修繕費か資本的支出か明らかでない場合は、支出額が60万円未満、または取得価額の10%以下の場合は修繕費とすることが可能です。

 この特例の対象外となるものは、既存設備の修繕だけではありません。たとえば繰延資産も、少額減価償却資産の特例の対象にはなりません。繰延資産は、支出額が20万円未満であれば全額を損金算入できますが、20万円以上の場合は資産計上が必要になります。

 

 少額減価償却資産の特例で「40万円未満は経費」という基準に慣れてしまうと、既存設備の修繕についても同じ感覚で判断してしまいがちです。取得と修繕は別物として、支出の実質を確認する習慣を崩さないようにしたいところです。

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