税務最新情報

2026年05月01日号 (第574)

令和8年度税制改正 消費税②

 みなさん、こんにちは。日経平均が一時的に6万円を超えました。ホルムズ海峡の影響による材料費の値上げ、特定の材料が入荷しないなどの話を聞いているので、株価の動きとリアル経済の関係性が不思議に感じてしまいます。

 さて今回は、令和8年度税制改正の消費税の2回目です。

インボイス制度に係る経過措置の改正

① 小規模個人事業者への3割特例の創設

 個人事業者である適格請求書発行事業者の令和9年及び令和10年に含まれる各課税期間について、2割特例と同様の要件を満たすことで3割特例が利用できます。

 3割特例を受けた適格請求書発行事業者が、その適用を受けた課税期間の翌課税期間に係る確定申告期限までに、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を提出したときは、その翌課税期間から簡易課税制度の適用が認められます。

② 免税事業者からの課税仕入れに係る税額控除

 免税事業者からの課税仕入れについて80%控除される取扱いは、次のように緩やかに控除率が減少していくことになりました。

期間割合
令和 8年10月1日から令和10年9月30日仕入税額相当額の70%
令和10年10月1日から令和12年9月30日仕入税額相当額の50%
令和12年10月1日から令和13年9月30日仕入税額相当額の30%

 最近の税務調査で、免税事業者からの仕入れについて普通に税額控除していたところ、帳簿へ経過措置の適用の記載がないことを理由に、仕入税額控除を認めないという取扱いが行われていると耳にしました。丁寧な区分を心がけましょう。

 一件の適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れの額の合計額が、その年又はその事業年度で1億円(現行:10億円)を超える場合は、その超えた部分の課税仕入れについて、本経過措置の適用を認めないこととされます。この取扱いは令和8年10 月1日以後に開始する課税期間から適用されます。

暗号資産等に関する課税関係

 金融商品取引法等の改正を前提に、次の措置が講じられます。

① 暗号資産の譲渡を有価証券に類するもの(現行:支払手段に類するもの)の譲渡として、引き続き消費税を非課税とする。

② 消費税の課税売上割合の計算上、暗号資産の譲渡については、その譲渡に係る対価の額の5%相当額を資産の譲渡等の対価の額に算入する。

 金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年の1月1日以後に行われる暗号資産の譲渡等について適用されます。先月、法案が国会に提出されたので、来年に改正法が施行され、分離課税となるのは令和10年からと予想されます。

現金取引等における輸出免税要件

 輸出として行う資産の譲渡又は貸付けのうち、その輸出取引の代金を現金又は支払いが取引相手からのものであることが明らかでない方法で受領するものについては、現行の輸出免税の適用要件となっている輸出許可書等の保存に加えて、輸出の仕向国における輸入許可書に相当する書類を保存しなければならないこととされました。

 令和8年10月1日以後に適用されます。

非居住者への仲介手数料

 事業者が非居住者から依頼を受けて、その居住者の国内に所有する不動産を売却した際に受け取る仲介手数料等については、輸出免税の対象とされていましたが、非居住者に対して行う国内に所在する不動産等の売買、交換又は貸借の代理又は媒介といった役務の提供等については、その役務の提供等を受ける者の居住地にかかわらず、消費税の課税対象とされます。

 令和8年10月1日以後に行われる資産の譲渡等について適用されますが、令和8年3月31日までに締結された契約の場合は輸出免税の対象となります。

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