税務最新情報

2026年04月20日号 (第573)

令和8年度税制改正 消費税①

 みなさん、こんにちは。イラン情勢の影響による「樹脂不足」が報じられるなど、世界情勢が思いもよらない形で国内の生産活動に波及していますね。

 さて今回は、令和8年度税制改正の消費税の1回目です。

少額輸入貨物の譲渡に係る課税関係の見直し

①課税対象の変更

 事業者が通信販売により国外から国内に宛てて発送する資産の譲渡で、1個あたりの額が1万円(税抜き)以下の資産の譲渡を「特定少額資産の譲渡」と分類し、国内において行われた資産の譲渡として消費税の課税対象となります。

 免税事業者に該当しない場合、特定少額資産の譲渡を行う事業者は国内事業者であるか国外事業者であるかに関係なく、特定少額資産の譲渡について消費税の申告・納税を行う必要があります。

 ただし、後述する第二種プラットフォーム事業者を介して行う取引については、第二種プラットフォーム事業者が特定少額資産の譲渡を行ったものとみなされます。

②特定少額資産販売事業者の登録制度の創設

 特定少額資産の譲渡を行い、又は行おうとする事業者で、特定少額資産の譲渡に係る課税貨物について他の者に保税地域からの引取りを行わせようとする事業者は、税務署長の登録を受けることができます。登録を受けるか否かは事業者の任意であり、登録を受けようとする事業者は、「特定少額資産販売事業者の登録申請書」を納税地を所轄する税務署長に提出する必要があります。

 保税地域から引き取られる課税貨物のうち、その課税貨物が「特定少額資産販売事業者」の行う特定少額資産の譲渡に係るものに該当するものであり、輸入申告書(国際郵便を利用する際には税関告知書)等に以下の事項を付記することにより証明されたものである場合は、その引取りに係る消費税が免除されます。

・課税貨物に係る特定少額資産の譲渡を行った特定少額資産販売事業者の登録番号
・ 課税貨物が特定少額資産の譲渡に係るものである旨

 この部分は、登録事業者からの購入なら国内仕入れと同様に仕入税額控除可能で、登録事業者以外からの購入の場合は、輸入消費税を控除する形になります。どちらでも控除できるのなら同じと感じるかもしれませんが、登録事業者以外からの購入の場合、購入金額の支払いとは別に輸入消費税の支払いが追加で発生します。この際に、輸入消費税の金額が控除となりますので、輸入消費税の金額の確認作業などが必要となります。

第二種プラットフォーム事業者

 オンラインモールなどのデジタルプラットフォームを提供している事業者で、一定の指定要件を満たす事業者として、国税庁長官の指定を受けたプラットフォーム事業者を「第二種プラットフォーム事業者」と呼びます。

 第二種プラットフォーム事業者が提供するデジタルプラットフォームを介して行う次の①及び②の資産の譲渡で、当該第二種プラットフォーム事業者を介してその対価を収受するものについては、第二種プラットフォーム事業者がこれらの資産の譲渡を行ったものとみなし、消費税の申告・納税を行うこととされました。

 なお、第二種プラットフォーム事業者の指定要件は下記のとおりです。

 プラットフォーム事業者のその課税期間において、その提供するデジタルプラットフォームを介して行われる①と②の資産の譲渡に係る対価の額のうち、当該プラットフォーム事業者を介して収受するものの合計額が50億円を超えること
① 国外事業者が国内において行う資産の譲渡
② 事業者が行う特定少額資産の譲渡

 具体的には、アマゾン、楽天、AliExpress、Temuなどが第二種プラットフォーム事業者として想定されます。今回の改正の施行時期は令和10年4月からとなるので、登録事業者の公表や、各プラットフォームが実際に指定を受けるかどうか動向を見守る必要があります。

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