税務最新情報

2026年04月10日号 (第572)

令和8年度税制改正 法人税②

 みなさん、こんにちは。季節の変わり目で寒いと感じる日もあれば、暑いと感じる日もあり、冬の寒さに慣れた身体がついていけない感じです。体調管理に気をつけましょう。

 さて今回は、令和8年度税制改正の法人税の2回目となります。

賃上げ税制の縮小

①全法人向けの措置は令和8年3月31日までに開始する事業年度までの適用で廃止されます。前倒しでの廃止となりますので注意が必要です。

②常時使用する従業員が2,000人以下の法人、いわゆる中堅企業向けの措置については、適用期限である令和9年3月末で廃止されます。令和9年3月31日までに開始する事業年度が適用可能になります。なお、令和8年4月以降に開始する事業年度について、次のとおり変更されました。

イ 原則の税額控除率(10%)が適用できる場合を、継続雇用者給与等支給額の継続雇用者比較給与等支給額に対する増加割合が3%以上から4%以上に引き上げました。

ロ 継続雇用者給与等支給額の継続雇用者比較給与等支給額に対する増加割合が4%以上である場合に税額控除率に15%を加算する措置を、その増加割合が5%以上である場合に税額控除率に5%(その増加割合が6%以上である場合には15%)を加算する措置とされました。

ハ 教育訓練費に係る上乗せ措置は廃止されました。

③中小企業向けについては、教育訓練費に係る上乗せ措置が廃止されました。

 給与等の増加割合が1.5%以上であれば、給与等の増加額の15%を、増加割合が2.5%以上であれば、給与等の増加額の30%を税額控除できる計算の仕組みは従来通りです。控除額の限度額は法人税の20%が上限です。

 上乗せ措置がなくなりましたが、計算自体はシンプルでわかりやすい制度となりました。期限等については、措置法の規定なので令和9年3月末までの開始事業年度までは、現行の法律で利用が可能です。その後については、大企業向け・中堅企業向けとは異なり、廃止との文言が見当たらないので、継続が期待されています。

企業グループ間の取引に係る書類保存の特例

 法人が関連者との間で特定取引を行った場合に、その取引に関して、取引関連書類等にその取引に関する資産又は役務の提供の明細、その取引においてその内国法人が支払うこととなる対価の額の計算の明細等のその取引に係る対価の額を算定するために必要な事項の記載又は記録がないときは、その記載又は記録がない事項を明らかにする書類を取得し、又は作成し、かつ、これを保存しなければならないこととされました。

 上記の明らかにする書類の保存がない場合、青色申告の承認の取消事由となります。

 簡単に言えば、グループ企業間で取引を行う際にその計算根拠を明確にするようにとの趣旨です。税務調査の過程で、どの程度問題とされるのか現時点では不明ですが、実務においては気になるポイントです。

 

 ちなみに予算案はずれこみましたが、令和8年度税制改正については3月末で成立し、多くの取扱いは4月1日から施行されています。

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