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2026年03月23日号 (第570)

令和8年度税制改正 資産課税

 みなさん、こんにちは。中東情勢がガソリンなどの価格に影響を与えています。企業経営において先行きが見えにくく、難しいかじ取りが必要となりそうです。

 さて今回は、令和8年度税制改正における資産課税の内容について、ご紹介していきます。

教育資金の一括贈与制度の廃止

 祖父母など直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置は、令和8年3月31 日までとされている取扱いを延長せずに終了することになりました。なお、同日までに拠出された金銭等については、引き続き本措置を適用できるのでご安心ください。

 駆け込みの一括贈与をされた方もいますが、非常に魅力的な制度でした。

 しかしながら、相続税法で「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」については、非課税としています。一括の贈与ではなく、孫の学費を必要に応じて贈与、大学の入学金を贈与するなど、個別に贈与をしていけば非課税となります。孫やひ孫への教育費の贈与が、非課税で行えないわけではないのでご安心ください。

財産評価の適正化

 貸付用不動産について、市場価格と相続税評価額とかけ離れている実態を踏まえ、次のように取り扱われることになります。令和9年以後の相続から適用されます。

① 被相続人等が課税時期前5年以内に対価を伴う取引により取得又は新築をした一定の貸付用不動産については、課税時期における通常の取引価額に相当する金額によって評価されます。この場合の課税時期における通常の取引価額に相当する金額は、課税上の弊害がない限り、被相続人等が取得等をした貸付用不動産に係る取得価額を基に地価の変動等を考慮して計算した価額の100 分の80 に相当する金額によって評価することができます。

 従来、建物は固定資産税評価額で評価を行ってきました。建物を取得した場合、固定資産税評価額は実際の取得価額の5~6割程度となることを利用して、相続税の負担を軽くするために相続の直前に不動産を購入するなどの極端な事例が目立ちました。土地についても、実際の売買金額と評価額で乖離が見られるケースが存在しました。駆け込みの不動産取得によって、相続財産を圧縮することを防止する趣旨で、相続まで5年以内の取得について規制を設けられることになりました。

② 不動産特定共同事業契約又は信託受益権に係る金融商品取引契約のうち、一定のものに基づく権利の目的となっている貸付用不動産は、その取得の時期にかかわらず課税時期における通常の取引価額に相当する金額によって評価します。この課税時期における通常の取引価額に相当する金額は、課税上の弊害がない限り、出資者等の求めに応じて事業者等が示した適正な処分価格・買取価格等、事業者等が把握している適正な売買実例価額又は定期報告書等に記載された不動産の価格等を参酌して求めた金額です。

 小口化不動産がいわゆる節税スキームとして販売されており、課税庁は極端な事例には総則6項により個別に対応してきました。この問題に対して、一律に規制を設けることで対応を行いました。取得の時期に関わらずという規制のため、市場への影響なども懸念されています。

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