税務最新情報

2026年01月20日号 (第564)

令和8年度税制改正 所得税②

 みなさん、こんにちは。大綱が公表されて間もないですが、選挙になりそうな雰囲気です。本来は来年度の予算を決める通常国会の時期ですから、予算案が遅れると言われています。税制改正も通常国会で立法されるのですが、過去にも4月以降に成立しているケースはあり、実務上は弊害がないと思われます。

 さて今回も、税制改正の内容で所得税の改正の続きです。

同一生計配偶者などの所得金額要件の変更

 基礎控除の変更に伴い、配偶者控除などの所得制限が変更になっています。

現行

改正後

配偶者及び扶養親族

58万円

62万円

ひとり親の子

58万円

62万円

勤労学生

85万円

89万円

 上記は所得金額なので、令和8年であれば給与収入136万円までは扶養家族に含まれることになります。ただし、配偶者特別控除や特定親族特別控除(19歳以上23歳未満)があるので、それを超えて稼いだから損をするということではなく、配偶者であれば給与収入207万円、特定扶養親族に該当する場合は給与収入で197万円までは、緩やかに控除額が減少していく形になります。

住民税と社会保険の壁

 住民税については、配偶者控除や扶養控除を適用するための所得要件について、所得税と足並みが揃っているのですが、基礎控除については43万円、配偶者控除や扶養控除については33万円と、改正が行われていません。つまり、所得税はかからないけれど、住民税はかかるケースが増えそうです。

 また社会保険については、年収130万円になると、負担しなくてよかった社会保険料の発生が生じるので、手取り額の逆転現象が生じてしまいます。ちなみに、年収130万円の場合の社会保険料は年額19万円ほどになりますので、社会保険の加入で手取りを一致させるためには、年収150万円を稼ぐ必要があります。

家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例

 本来、事業所得や雑所得の金額は総収入金額から必要経費を控除して計算を行います。しかし、家内労働者等の場合、一定額を必要経費として認められる制度があります。従来は65万円でしたが、69万円に引き上げられます。

 なお家内労働者等とは、家内労働法に規定する家内労働者や、外交員、集金人、電力量計の検針人の他、特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人をいいます。

 

 基礎控除や給与所得控除だけでなく、配偶者控除や扶養控除を受けるための所得制限も引き上げられました。多くの人に大きなメリットがある改正です。一方で、働く時間に制約がある場合には、住民税、社会保険料など複数の要素を検討する必要があるので注意が必要です。

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