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2026年08月03日号 (第583)

決済代行会社の破産から考える未回収金の取扱い

 みなさん、こんにちは。先日、全東信の破産報道がされ、飲食店などでは代金の未回収の問題、資金繰りへの影響、今後の決済代行会社の選定など、課題が多くあります。今回は未回収代金の税務上の取扱いについて検討していきます。

税務上の貸倒れの認識

 今回は、得意先の破産ではなく決済代行会社の破産という特殊な案件ですが、貸倒れ損失の計上について検討していきます。

 税法上の貸倒れの要件としては、下記の三つの要件があります。

①法律上の手続により債権が切り捨てられた場合

②債務者の資産状況、支払能力等からみて全額回収不能となった場合

③一定期間取引停止後弁済がない場合

 現時点では破産という事実だけがあり、破産手続きが終結して債権が切り捨てられたわけではないので、上記①の要件は満たしていません。

 一方、貸倒引当金の計上であれば破産手続き開始の申立を要件とし、債権金額の50%について損金算入が認められます。報道によれば長期間にわたり粉飾を行っており、多額の債務超過とされているので「債務超過の状態が相当期間継続し、かつ、その営む事業に好転の見通しがないこと」の要件を満たすようにも思えるのですが、事実認定まで考えると難しいかもしれません。実務的には50%について、貸倒引当金を計上するという形になりそうです。

 いずれにしても、売上時に益金計上済みの代金が未回収のまま、貸倒損失や引当金の計上ができないと、法人税の負担だけが先行してしまい、厳しい話となってしまいます。

消費税の問題

 通常の売掛金であれば、破産終結のタイミングで貸倒れの処理と、消費税の税額控除が可能です。ところが、今回の未回収代金はクレジット売上の代金であり、売上債権はいったんクレジット会社に譲渡されており、全東信からの入金は立替払金という位置づけです。回収できていないのは、この立替払金部分になります。下記の「課税資産の譲渡等の相手方に対する売掛金その他の債権」には該当しないため、税額控除ができない取扱いとなります。

消費税法39条1項
 事業者が国内において課税資産の譲渡等を行った場合において、当該課税資産の譲渡等の相手方に対する売掛金その他の債権につき更生計画認可の決定により債権の切捨てがあつたことその他これに準ずるものとして政令で定める事実が生じたため、当該課税資産の譲渡等の税込価額の全部又は一部の領収をすることができなくなったときは、当該領収をすることができないこととなった日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額から、当該領収をすることができなくなった課税資産の譲渡等の税込価額に係る消費税額の合計額を控除する。

 ただ、この辺りは、入金がない売上代金の消費税を納付するという話で、理論的にはスジが通らない側面もあります。国税庁が質疑応答などで弾力的な対応をしてくれないか、注視していく必要があります。

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