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2026年07月10日号 (第581)
令和8年分の路線価が公表
みなさん、こんにちは。7月1日に令和8年分の路線価が公表されました。5年連続で上昇ということでした。
今回は、路線価の公表にちなんだ話しです。
基礎控除は大きくならないの?
路線価が続けて上昇していることを受けて、クライアントから聞かれるのは、相続税の基礎控除が大きくならないかという点です。
ちなみに、過去の相続税の基礎控除は下記の通りです。
| 適用時期 | 定額控除 | 法定相続人一人当たり |
|---|---|---|
| ~昭和62年 | 2,000万円 | 400万円 |
| 昭和63年~ | 4,000万円 | 800万円 |
| 平成4年~ | 4,800万円 | 950万円 |
| 平成6年~ | 5,000万円 | 1,000万円 |
| 平成27年~ | 3,000万円 | 600万円 |
基礎控除が大きくならないのかと疑問を持たれる方は、平成バブルのころに地価の上昇に合わせて基礎控除が大きくなっていった経緯をご存じなのだと思います。
ただし平成27年から基礎控除が縮小されていますが、財務省の資料によると次のように説明されています。
| 相続税の基礎控除はバブル期の地価高騰等に伴い引き上げられてきたが、その後の地価下落にもかかわらず基礎控除の水準は据え置かれ、また税率構造も緩和されてきたため、相続税の負担は以前に比べ大幅に緩和され、資産再分配機能が低下していた。 |
地価下落で基礎控除が据え置かれたことを問題にしているのなら、「地価の上昇に対して基礎控除を大きくしてはどうか」という指摘も可能です。しかし、地価の下落はトリガーになっているものの、「資産再配分機能の回復が目的」であり、社会保障の財源確保と格差是正が背景にあるため、地価上昇を理由に拡大すべきとの結論にはなっていないようです。
遺言書の内容について再検討が必要な場合も
私のクライアントでも、公正証書遺言を作成されている方が何名かいらっしゃいます。作成時には、遺留分侵害に配慮しています。しかしながら、不動産に比較して金融資産が少ない場合などは、作成時点では遺留分の侵害がないもののギリギリの設定になっていることがありがちです。
遺留分を算定するための財産の価額は、相続開始時の時価で評価します。 遺言書を作成した時点の評価額ではなく、被相続人が死亡した時点の評価額が基準になります。地価高騰により、遺言作成時には遺留分を侵害していなかった内容が、相続開始時には地価上昇により結果的に遺留分侵害となるケースが起こり得ます。
私が関与しているケースでも、遺言作成から10年以上経過しているものがあります。土地の評価が10年で倍になっているエリアなども存在するため、遺留分について検討を要するケースも出てくると思われます。
遺言を作成しているから安心と思われている方もいらっしゃいますが、地価上昇の問題だけでなく財産構成が変化しているケースもあります。定期的な確認作業をしていくことが必要です。
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