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2026年06月10日号 (第578)
食品0%から給付付き税額控除への移行は実行できるのか?
久しぶりに台風が来ました。家を出た瞬間の土砂降りの音が懐かしいと思えるくらいでしたが、会社に着くころにはずぶ濡れになっていて大変でした。
さて、6月初めになって、給付付き税額控除とその前段階となる食品0%について報道が続いたので、簡単に紹介していきます。
給付付き税額控除の仕組みと方向性
6月2日の夕方ごろ、報道各社が給付付き税額控除に関する記事を一斉に流しました。過去の経緯からすると、「報道各社が一斉に」という場合は、本格的に導入される確率がかなり高いことが伺えます。政府が意図的に広報している雰囲気です。
内容としては、給付付き税額控除の説明をした上で「給付に一本化」というものでした。給付付き税額控除とは、最大給付額を10万円と定めた場合、下記のような負担と給付をセットで行う制度です。
| 控除 | 給付 | |
|---|---|---|
| 所得税0円 | - | 10万円 |
| 所得税5万円 | 5万円 | 5万円 |
| 所得税15万円 | 10万円 | 0円 |
税の仕組みとして、10万円を軽減する場合、元々税額がゼロの人は10万円の給付、所得税が5万円の人は税額を5万円控除して給付を5万円、所得税が10万円を超える場合は10万円の控除を行うというものです。
自民党の税制調査会と社会保障制度調査会の合同会議の結果、「給付付き税額控除」ではなく「給付の一本化」を柱とする制度イメージだそうです。現実には、所得に応じた税負担の軽減と所得に応じた給付のミックスにより、同じ結論を目指すのかもしれません。背景としては、縦割りの行政というものがあるのかもしれません。
食料品0%の話は?
給付付き税額控除の報道と同じタイミングで、食品消費税について来年4月から1%で検討しているとの報道がありました。
国民会議で行った大手ベンダーなどのヒアリングで、0%の場合はシステム改修に1年を要するところ、1%なら半年程度で済むという点が理由となっているとのことです。半年だと、最短で来年の4月に間に合うタイミングで検討しているのでしょうか。
理屈としては、レジメーカーは消費税率が変更になることを想定しているため、1%への税率の変更は比較的容易とのことなのでしょう。一方で0%の場合、すでに非課税で税金がかからない場合があるので、非課税と0%を区分できる想定になっていないのかもしれません。
購入する側の視点では、非課税と0%は共に消費税がかからないので同じ結論となります。しかしその反面、事業者が消費税の計算をする仕組みの中で、非課税と0%は全く異なるものとして取り扱うので、区別して管理することが重要となります。
レジメーカーの話はさておき、店舗の現場で1%をどのように価格に転嫁するかという問題も存在します。スーパーやコンビニは従来から円単位で精算を行うので、問題なく移行できると考えられます。一方で、弁当屋、出前の食品、小規模な小売店での食品の販売などの場合、1%分を追加で徴収(上乗せ)できるのか、あるいは事業者側が被って据え置く(上乗せしない)のかなどの現場の問題が生じます。
さらに事務的な話を考えると、食品の軽減税率導入時に、正しく計算が行えない事業者向けの特例計算が用意されています。仮に2年間限定の0%を実現するためさらに新たな特例を設けるとすると、制度の複雑化は避けられないことになります。
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