税務最新情報

2025年11月10日号 (第557)

資料せんについて

 みなさん、こんにちは。最低気温が10度を下回る日もあり、服装の選択を誤るととても寒い思いをする季節になりました。体調管理に気をつけましょう。

 さて今回は、ときどき税務署から依頼がある資料せんについての話題です。

一般取引資料せん

 税務署から「売上、仕入、費用及びリベート等に関する資料の提出の依頼について」という文書が封書で送られてくることがあります。クライアントからは提出の必要性について、質問を受けることがよくありますが、その際は「可能なら提出してください」と回答しています。

 法律上は提出が義務付けられているわけではなく、「協力のお願い」との位置づけです。例えば広島国税局FAQ(問1)でも、下記の通り記載されています。

 この度の依頼については、提出をお願いしているもので強制ではありませんが、資料の作成・提出にご協力をお願いします。

https://www.nta.go.jp/about/organization/hiroshima/shiryo/pdf/08230501_02.pdf

 なお、強制ではないからといって内容がいい加減だと、取引先に迷惑がかかる可能性があります。また、税務当局が取引先との申告内容の矛盾を解明するための税務調査の端緒となる可能性もあるため、正確に丁寧に対応する必要があります。

資料せんの目的

 資料せんの目的は、上記のFAQにもあるとおり情報収集です。

 税務署におきましては「適正・公平な課税の実現」のため、各種の資料情報の収集に努めております。その資料情報の一つとして納税者の皆様に提出依頼を行っております。

 よくある誤解として、自社への税務調査の前触れだと勘違いされることがあります。長く仕事をしていると、定期的に資料せんの依頼が届きますし、税務調査と直接関係するわけではないことを理解できるため、特段気にならなくなりますが、初めて届いた際は驚かれるかもしれません。

資料せんの作成について

 以前は手書きで資料せんを作成して提出していましたが、最近はエクセルなどで作成可能です。また会計ソフトで補助科目まで管理していれば、該当データを探す手間もそれほどかからず、大きな負担とはならないと考えられます。

 具体的なフォームについては、下記を参照してください。

https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/shiryo/index.htm

特殊な資料せん

 一般的な資料せんとは異なる資料せんがあります。例えば、国税庁サイトには「租税回避スキームに関する情報の提供(主に税務関係者向け)」があり、現行の法制度においては合法でも、放置すると適正な課税が行われない可能性がある事例などの情報提供を求めています。

https://www.nta.go.jp/suggestion/schemejoho/input_form.html

 また上記サイトの中に記載がありますが、課税・徴収漏れに関する情報提供などの募集も行っています。

https://www.nta.go.jp/suggestion/johoteikyo/input_form.html

 

 資料せんだけではなく法定調書を含め、税務当局はあらゆる方面から情報収集を行っていることを認識しておきましょう。

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