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2022年11月01日号 (第449)

年末調整の準備は順調でしょうか

 みなさん、こんにちは。11月になります。11月にクライアントを訪問した際には、年末調整の打ち合わせをすることが多いので、今回は年末調整にちなんだ話題です。

年末調整とそれに付随する作業

 年末調整においては、12月の給与で年末調整分を加減して支給する会社と、1月の給与で年末調整分を加減して支給する会社があります。年末調整に付随する業務としては ①1月末までに給与支払報告書を従業員の住所地の自治体に送付すること ②源泉徴収票の提出が必要な場合は、他の法定調書と合わせて法定調書の合計表と同時に税務署に提出する必要があります。

 源泉税の納税を毎月している会社は、従来通り12月分の源泉税については1月10日までに、1月分の源泉税については2月10日までに納付する必要があります。また納期の特例を受けている会社は、7月から12月までの源泉税を1月20日までに納付する必要があります。

年末調整のスケジュール

 年末調整のスケジュールを組む際には、何月の給与で年末調整分を加減するのかによりますが、給与の振込を行うにあたり、3営業日前には銀行に資料を提出する必要があり、その時点までに年末調整を完了させる必要があります。

 また年末調整を社内で行うのか、税理士事務所に依頼するのかによって、作業日程に違いが出ることを想定する必要があります。冒頭のようなクライアントとの打ち合わせでは、年末調整の結果が必要となる期限の3日前くらいまでに資料が到着するよう手配する事や、必要な書類について確認しています。今年は、昨年と比べて改正項目がないので日程と必要書類の確認のみとなりますが、改正がある場合は改正などについての説明が加わります。

 年末調整事務を行うには、事前に従業員の方に ①扶養控除等(異動)申告書 ②給与所得の保険料控除申告書 ③給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書、さらに住宅ローン減税を受ける場合は ④給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書などを提出してもらう必要があります。これらを従業員から提出されるまで、どのくらいの期間を要するか想定しなければなりません。また控除証明書などを用意してもらう必要がありますから、アナウンスから用紙の回収まで1週間程度はみておく必要があるでしょう。

 少し大きな規模の会社ですと、例年期日を定めて従業員の方に提出を依頼するのですが、必ずと言っていいくらい遅れて提出される方が出てきます。期日を過ぎた場合は、各自確定申告をしてもらうなど、全体のスケジュールを優先して年末調整作業を進めていく必要があります。

 そして、12月に支給する給与の額がいつ決まるのかもスケジュールに影響します。月末締めの翌20日払いのような場合は、12月に支給する給与で年末調整分を加減することにしても間に合うと思われます。一方で、15日締めの25日払いのような場合には、銀行提出までのスケジュールを考慮すると、1月に支給する給与で年末調整分を加減する方がよさそうです。具体的には曜日の都合を考えると、今年は25日が日曜日なので前倒しで支給日が23日とすると、銀行提出が19日の月曜日、給与の締め日が15日だと、営業日としては16日の一日だけで12月支給の給与計算と年末調整まで完了させる必要があります。

 

 年末調整は従業員から資料を回収する期間、12月に支給する給与の計算、銀行への資料提出など総合的に判断して計画を立てる必要があります。

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