税務最新情報

2022年07月11日号 (第438)

SNSによる税金ネタに注意

 みなさんこんにちは、選挙も終わりました。源泉税の納期の特例の納付も今日までです。次の税制改正の話題は12月頃でしょうか。7月になって、今年の路線価が公表されましたが、しばらくは税務情報について凪の時期です。

 今日はSNSによる税金ネタについて、評価してみます。

SNSによる情報には注意が必要

 持続化給付金が始まった当初、ツイッターやフェースブック、掲示板などでも、給付金を受け取る方法を教えますなどの情報が溢れていました。

 最近では、SNS上で節税方法を情報商材として扱っているケースをみかけます。今回はその中でも、副業節税について警鐘を鳴らす意味でご紹介します。

副業節税の怖さとカラクリ

 サラリーマンが実際に副業を行うケースはあると思います。副業でも継続するような場合は、開業届、青色申告などの手続きをして確定申告をすることになります。ここまでは普通にありえる話です。

 副業節税は、その副業を赤字にして給与所得と通算することで、税金を安くするという流れです。SNS上では、あたかも特別な話のように、具体的な内容については有料で紹介するなどの方法なので注意が必要です。

 ちなみにこの方法は、とてもリスクがある手法で、2013年には脱税指南をしたとして副業ビジネスを勧めていた人が逮捕されたという事案があります。売上数十万円に対して、何百万の必要経費を計上する方法で、100人以上のサラリーマンにその手法を実践させていたというものです。逮捕された人は、経営コンサルタントを名乗っていたそうです。

 騙された人たちも被害者ですが、同時に給付金詐欺や脱税犯になっています。

本当に副業はアウトなのか

 副業でも、実際の売上が正しく計上されており、それに対しての必要経費も正しく計上されていれば赤字でも問題は起きません。もちろん、実務をしていると、必要経費か判断が微妙なケースも存在します。

 微妙なものがすべて認めらないということではなく、逮捕されている事例のような、「明らかに必要経費でないもの」を必要経費として処理する脱税行為が問題なのです。

 SNSなどでも、実名を名乗る税理士の投稿などは非常に保守的です。言い方を変えれば、実際には特別な節税方法などないと思うのが正解です。副業そのものがアウトではありませんが、節税のために副業という発想は限りなくアウトに近いと思います。お金を稼ぐのが副業であって、赤字が継続する副業は常識的にありえないのです。

 

 SNS自体は、経営者や税理士が匿名だからこそ本音が言える部分があり、情報収集の場所としては面白い場所です。一方で実務をしている側からすると、あからさまなデマもあったりと、内容の見極めが必要です。

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