税務最新情報

2020年04月20日号 (第359)

新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置案

 みなさん、こんにちは、緊急事態宣言が出され、ますます深刻な状況となっています。経済対策の一環として、緊急に税制改正が行われるようです。

 執筆時点では、案となっていますが、閣議決定はされた状態です。緊急性があると思われるので、その全体像についてご紹介していきます。

◆納税猶予制度の特例

 令和2年2月以後における1ヶ月以上の期間で収入が20%以上減少した場合、1年間の納税猶予が認められます。向こう半年間の事業資金を考慮して、一時に納税が困難と認められる場合に適用されるとのことです。担保は不要で、延滞税も免除されるとのことです。

 業種によっては、売上ゼロになっている状態ですから、今払えても半年後に資金繰りが困窮する可能性があります。手元資金の確保が必要な場合には有効な手段です。

◆欠損金の繰戻しによる還付の特例

 現在は中小企業でしか認められていない、青色欠損金の繰戻し還付について、資本金1億円超10億円以下の法人について適用が認められます。

 去年の黒字と今年の赤字を通算して、去年納税済みの税金を取り戻すことができる制度です。多くの法人で利用するチャンスがあると思われます。

◆テレワーク等のための中小企業の設備投資税制

 中小企業等が、特定経営力向上設備等を取得した場合に、即時償却または税額控除を認める制度で、従来は生産性向上設備もしくは収益力強化設備を取得したた場合に適用可能でした。今回の改正では、テレワーク等のための設備投資でも、即時償却または税額控除が認められることとなりました。

◆文化芸術・スポーツイベントを中止等した主催者に対する払戻請求権を放棄した顧客等への寄付金控除の適用

 自粛要請を踏まえて文化芸術・スポーツイベントを中止等した結果、主催者に大きな損失が生じている状況を踏まえ、文化芸術・スポーツに係る一定のイベントの入場料等について、観客等が払戻請求権を放棄した場合には、その放棄した金額について、寄附金控除の対象とされる制度です。

 この取扱を受けるためには、主催者が文化庁等に申請を行い、文化庁が証明書等の交付を行うと同時に、イベント名等の公表を行います。また、それを受けて、主催者が証明書の交付を納税者に対して行うなど一定の手続きが必要です。

◆住宅ローン控除の適用要件の弾力化

 新型コロナウイルス感染症の影響で、住宅建設が遅延して、令和2年12月までに入居できなかった場合でも、控除期間が13年の住宅ローン控除が適用可能となります。

 また、住宅ローンを借りて取得した中古住宅について、取得の日から6ヶ月超の期間が経過した場合でも、一定の要件を満たす場合には住宅ローン控除が適用されます。

◆消費税の課税事業者選択届出書等の提出に係る特例

 新型コロナウイルス感染症の影響により、1ヶ月以上における売上が前年同期と比較して概ね50%以上減少した場合に、課税期間開始後における消費税の課税選択の適用が可能となります。

 通常は、事業年度開始前に提出が必要ですが、進行年度中の提出が可能となります。さらに、課税事業者となった場合の2年間の継続適用要件、調整対象固定資産を取得した場合の3年間の継続適用要件などの縛りも受けないこととなります。

 なお、この特例については、特例法施行後に申告期限が到来し、令和2年2月1日以降、令和3年1月31日までの期間に売上減少が生じた期間が存在する課税期間に適用されます。なお、申告期限までに申請して、税務署長の個別承認が必要となります。

◆特別貸付けに係る契約書の印紙税の非課税

 金融機関が、新型コロナウイルス感染症によりその経営に影響を受けた事業者に対して行う特別な貸付けに係る契約については、印紙税が非課税とされます。既に、印紙税を納付している場合は、遡及的に還付が行われます。

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