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2019年11月01日号 (第342)

年末調整のシーズンです

 みなさん、こんにちは、11月になりました。随分、肌寒い日が増えてきました。体調を壊さないように気を付けましょう。

 さて、11月になると、年末調整の準備を始める時期ですので、今回は年末調整の流れについて説明していきます。

年末調整のタイミングとスケジュール

 年末調整を行うタイミングですが、多くの会社は12月の給与の際に、年末調整の過不足調整を行います。そのような場合は、12月支給の給与の計算のタイミングには年末調整関係の入力を終わらせておく必要があります。具体的には、扶養控除等(異動)申告書、保険料控除申告書、配偶者控除等申告書を11月中に従業員に配布して、12月初めには回収して年末調整関係の入力処理などを済ませておいて、12月の給料計算を行うと同時に年末調整が完了するようなスケジュールを組んでおく必要があります。また、期日までに提出しない人については、保険料控除なしで年末調整を行い、確定申告を各自行ってもらうなど、ルールを明確化しておかないと、間に合わないという話になりかねません。

 一方で、12月給与支払いのタイミングで年末調整をしないで、12月給与支給の後、個別に過不足額の調整をしている会社や、1月給与のタイミングで過不足額を調整する会社もあります。

 この辺りは、給与の締め日と支給日の日程に合わせて、無理のないところでスケジュールを立てていく必要があります。

◆法定調書との提出期限と源泉税の納付額

 年末調整が終了した後の源泉徴収票と給与支払報告書は、1月末までに税務署と従業員の住所地の所在する市区町村に提出する必要があります。よって、年末調整などの再計算が必要な場合は、期日的には1月末までであれば会社で対応可能です。

 年末調整の過不足金は源泉税の納付の際に調整していく必要がありますが、調整忘れが起こりがちですので、12月分の源泉税の納付の際には年末調整の過不足金の調整について失念しないようにしましょう。

 なお、住宅ローン減税の適用を受ける方などが複数いると、12月分の源泉徴収額から控除すると、納付額がマイナスになって、控除しきれないケースがあります。このような場合は、その後に納付する源泉税から控除していくことになります。実務上は、数か月間納付がゼロになるケースもありがちです。

◆超過額が多額すぎて源泉徴収から控除しきれないケース

 例えば、年末調整の超過額が10万円となり、12月の源泉徴収額1万円として、控除不能な額が9万円生じたとします。12月で従業員が退職してしまい、その後源泉徴収することができないと、9万円について控除できないという問題が生じます。

 この場合には、「源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額還付請求書兼残存過納額明細書」という書類を作成して、①従業員の源泉徴収簿の写し、②過納額の請求及び受領に関する委任状(連記式)と一緒に税務署に提出することで、従業員に還付した税額で、今後の源泉徴収から充当することができない金額について還付を受けることが可能です。詳しくは、下記をご参照ください。

【国税庁】[手続名]源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額の還付請求

 なお、通常は翌月以後に源泉徴収する額で充当していくのが通常で、上記の還付手続きを取るのは、下記に該当する場合です。

  • イ 解散、廃業などにより給与の支払者でなくなったため、還付することができなくなった場合
  • ロ 徴収して納付する税額がなくなったため、過納額の還付ができなくなった場合
  • ハ 納付する源泉徴収税額に比べて過納額が多額であるため、還付することとなった日の翌月から2か月を経過しても還付しきれないと見込まれる場合

◆改正点

 令和元年の年末調整については、大きな改正がありません。例年、この時期に改正点をご紹介しているので、ご案内はしておきます。

 また、令和2年10月から、年末調整手続きの電子化が可能となっており、保険料の控除証明の電子データを利用して、従業員の方が「電子的控除証明書等」とマイポータルで作成した控除申告書データを会社に提出できる仕組みが導入されます。従業員の方がマイナンバーカードを取得していることが条件となっているので、会社が主導で年末調整手続きの電子化を行わないと、スムーズな電子化は難しいと思われます。従業員数が多い会社では年末調整事務の合理化の観点から、年末調整手続きの電子化について検討されてはいかがでしょうか。

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