税務最新情報

2019年05月07日号 (第344)

軽減税率の範囲

 みなさん、こんにちは、令和元年になりました。会計ソフトなど含め、令和に対応しきれていなかったり、小さなトラブルが発生しています。例えば年度の部分に、01と入力そのものができないので、31と入力しているケースがあります。お客様に渡す書類だと、多少気になってしまいます。

 今回は、消費税率の引上げと同時にスタートする軽減税率の総論について、ご紹介します。

軽減税率の対象となる取引

(1)飲食料品
 食品表示法に規定する食品(酒類を除く。)をいい、一定の一体資産を含みます。
 外食とケータリングは対象に含まれません。 軽減税率の対象となる飲食料品の範囲
(2)新聞
 一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する週2回以上発行されるもので、定期購読契約に基づくものをいいます。

◆軽減税率の判定時期と誰の立場で考えるか

 適用税率の判定時期は、資産の譲渡等を行う時点です。例えば、回転ずしで食べ残しを持ち帰るとしても、最初に外食サービスの商品として提供しているので標準税率になります。また、ファーストフード店などで、持ち帰り用として販売した場合は8%です。仮に、気が変わって、お客さんが店内で食べたとしても、販売時点での判断となりますから、追加で徴収が必要ということにはなりません。

 そして、売る側の主観で判断を行います。国税庁が示している事例では、食用として販売した重曹を清掃用に用いても、販売時の税率は軽減税率となります。一方で、清掃用として販売した重曹を購入者が食用に用いたとしても、販売時の税率は標準税率となります。購入された後、どのように利用されるかは考慮する必要がなく、販売するときに食品として販売していれば軽減税率となります。

◆実務上の問題点

 軽減税率では、どこまでが飲食品の販売で、どこからが外れるかというのが実務上大きな問題点となります。よく具体例として紹介されるのが、オロナミンCは飲食品に該当して軽減税率、リポビタンDは医薬品に該当して標準税率というような食品表示の話題から、外食の判定、一体資産の判定、容器等についてなど、いくつかの論点があります。

 基本的には、①外食に該当すれば標準税率、②価格のうち3分の2以上が食品で税抜き1万円以下なら一体資産として軽減税率の対象、③容器等については別途料金を取らなければ軽減税率という取扱いがあります。ただし、この辺りは、実務的なことを考えると少し難しい論点になります。次回以降は、これらの実務的な問題点について、少し踏み込んでご紹介します。

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