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2018年06月11日号 (第362)

平成30年度税制改正(その他)

 みなさん、こんにちは、今年は梅雨入りが例年より早いようです。天気も不安定な日が続いています。職場が新宿なので、新宿の通りを歩いていると、飲食店の閉店が目に付きます。人手不足が原因で営業できないのでしょうか。また、なんとなくですが、新築物件でテナント募集中の物件が増えたような気がします。地価の高騰、建築費の高騰などで、新築物件について、微妙に需給バランスが崩れ始めているかなという雰囲気です。

 さて、今回は、平成30年度税制改正の最後で、今までご紹介した以外の、細かな改正について取り扱います。

◆電子申告の義務化

 資本金1億円超の大企業は、法人税及び地方法人税、消費税、法人住民税及び事業税について、平成32年4月1日以降開始事業年度分より、電子申告が義務化されます。

 この際に、申告書の添付書類についても電子申告の義務化の対象となります。現状は、電子申告を行いつつも、紙で別途郵送という実務が一般的ですので、実務の見直しが必要になるかもしれません。会社のシステムと、電子申告を行うシステムのデータの連動など、課題がありそうです。データ形式については、現行のXBRLまたはXML形式に限定する取扱は、柔軟化してCSV形式での提出が認められるようになります。そのフォーマットについても国税庁が用意する方向です。

◆所得税確定申告・年末調整手続きの電子化

 従来は、生命保険料控除、地震保険料控除、住宅ローン減税にかかる書類などを書面で用意する必要がありましたが、電磁的方法による提出が可能となります。平成32年10月以降の年末調整関係事務からの適用となります。

 もう少し具体的にいうと、今までは郵便物などで保険会社や銀行から来た書面を会社に提出あるいは税務署に提出というながれでしたが、保険会社や銀行からデータでもらい、会社や税務署にデータで提出するという流れになります。

◆国際観光旅客税

 平成31年1月7日以降、日本から航空機や船舶で出国する2歳以上の人について、運賃に合わせて1人1,000円が徴収されることになります。

 これは、日本人が海外旅行する場合も対象となりますし、海外の方が日本に観光旅行にきて、帰国する際にも対象となります。

 飛行機や船舶の乗務員や入国後24時間以内に出国する乗り継ぎなどの場合は、対象外となります。

 全く新しい税金です。税収は観光振興などに使われることになります。

◆森林環境税

 少し先の話しになりますが、平成36年度から、個人住民税に合わせて、1人について年額1,000円を森林環境税(仮称)として上乗せ徴収することになります。

 地球温暖化、災害防止、国土保全などの目的に資するために利用される税です。


 平成31年10月から、消費税率が引き上げられますが、さらに国際観光旅客税、森林環境税と新しい税金の負担が増えるということで、微妙にですが厳しい雰囲気の税制改正でした。

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