税務最新情報

2018年01月10日号 (第347)

法人税改正(所得拡大税制の改正)

 みなさん、こんにちは、寒い日が続きます。体調を崩さないようにご自愛ください。

 今回は、平成30年度税制改正の中から所得拡大税制についてご紹介します。実務をしている者からすると、最近の改正の中では一番利用する機会が多い税制です。また、最近の税務調査では、適用がある場合は必ず確認されるようになったので注意が必要です。

◆所得拡大税制の基本形(中小企業等に該当しない場合)

 青色申告書を提出する法人が、平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間に開始する各事業年度において国内雇用者に対して給与等を支給する場合に、以下の要件を満たすことで、給与等支給増加額の15%の税額控除が適用されます。なお、教育訓練費の額の増加割合が20%以上である場合は、給与等支給増加額の20%の税額控除が可能になります。いずれの場合も、控除額は当期の法人税額の20%が上限となります。

① 平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額の
   比較平均給与等支給額に対する割合が3%以上であること
② 国内設備投資額が減価償却費の総額の90%以上であること

◆中小企業向けの所得拡大税制

 青色申告書を提出する中小企業等が、平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間に開始する各事業年度において国内雇用者に対して給与等を支給する場合に、平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額の比較平均給与等支給額に対する割合が1.5%以上であるときは、給与等支給増加額の15%の税額控除が適用されます。なお、以下の要件を満たすときは、給与等支給増加額の25%の税額控除が可能となります。いずれの場合も、控除税額は当期の法人税額の20%が上限となります。

① 平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額の
     比較平均給与等支給額に対する割合が2.5%以上であること
② 下記のいずれかの要件を満たすこと
 教育訓練費の額の前期の教育訓練費の額に対する増加割合が10%以上であること
 その中小企業者等が事業年度終了の日までに中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けたもので、その経営力向上計画に従って経営力向上が確実に行われたものとして証明がされたこと

 ここでいう「中小企業等」とは、①資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人、②資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人、③農業組合等をいいます。ただし、資本金1億円を超える法人の子会社などは、中小企業等に該当しません。

◆所得拡大税制の用語の確認

 所得拡大税制という名称ですが、従来とは計算方法が大きく変更になっています。従来は、基準年度(平成24年度)の給与等の額と当期の給与等の額の差額に対して10%でしたが、今回の改正で前年との比較になり制度としてはシンプルになりましたが、控除額は小さくなります。

 給与等支給増加額とは、雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額です。

 平均給与等支給額及び比較平均給与等支給額については、計算の基礎となる継続雇用者の範囲を見直し、当期及び前期の全期間各月において給与等支給がある雇用者で一定のものへと変更されます。計算の基礎となる継続雇用者がいない場合には、所得拡大税制を利用することができません。

 教育訓練費とは、国内雇用者の職務に必要な技術又は知識を習得させ、向上させるための費用で下記のものをいい、比較教育訓練費の額とは、前期及び前々期の教育訓練費の額の年平均額です。

① その法人が教育訓練等(教育、訓練、研修、講習その他これらに類するものをいう。)を
     自らが行う場合の外部講師謝金、外部施設等使用料等の費用
② 他の者に委託して教育訓練等を行わせる場合のその委託費
③ 他の者が行う教育訓練等に参加させる場合のその参加に要する費用

 これまで、所得拡大税制を利用しようとして、基準年度や前年対比では給与等支給額が増加しているにも関わらず平均給与等支給額で僅かに減少して適用にならないというケースに、何度も遭遇しています。今回の改正では、常に平均での比較となるのでハードルが高くなると想定されます。また、業績がよく決算賞与を支給した翌年などは、その反動で翌年に適用できないケースなど皮肉な結果になることもあるのでご注意ください。

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